シルクフィブロインとは、複数のアミノ酸が結合した蚕由来の高分子タンパク質で構成される成分であり、主に医用生体工学やナノテクノロジー等の分野で国内外問わず研究が進められている。シルクフィブロインの吸着効果について、人工知能のChatGPTとiAsk AIに判断させたところ、【シルクフィブロインが持つ性質と構造上、アンモニアや老廃物を吸着する効果がある】との回答が返ってきた。(画像参照)また日本の特許申請(特開2019-076007)における動物病院での試験データでは、慢性腎臓病の犬11頭/猫4頭に水溶性シルクフィブロインを経口摂取させた結果、ほぼ全ての被検体において血中尿素窒(BUN)値および血清クレアチニン(Cre)値を改善する効果があることが示され、シルクフィブロインが持つ老廃物吸着/排出機能が示唆されている。(画像参照)ちなみに本品のシルクフィブロイン水溶液も、上記特許申請の試験で使用されたものと同じ松田蚕場製である。他にも動物生理学/栄養学の学術誌Journal of Animal Physiology and Animal Nutritionに掲載された(2024年)、負傷した魚(ヨーロッパヘダイ)を対象にシルクフィブロイン微粒子を投与した研究では、免疫(抗酸化)作用の増強能力および肝臓のダメージ保護能力に有益な効果があることが示された。(DOI: 10.1111/jpn.13950.)先述の研究や試験データからも、シルクフィブロインが猫の慢性腎臓病の進行の予防・治療・遅延に役立つ可能性は充分に考えられる。類似効果を持つ他社製品に関して、リン吸着剤は、早期の犬猫への使用は高カルシウム血症のリスクも高まるため、予防としては与えづらい。また活性炭は、便秘・下痢・体重減少などの副作用が存在する。その点、シルクフィブロイン水溶液はタンパク質で構成されているため生体親和性が高く、どのライフステージでも使用可能で安全性も高い。また無味無臭で猫に警戒されにくく、老廃物を吸着排出する効果で腎臓に直接的に働きかけると同時に、抗酸化作用も期待できるため、本品は個人的に猫の腎臓病予防サプリメントとして今1番期待している製品である。ただ一番の腎臓病予防は、ミネラルバランスが調整された食事と充分な飲水量の確保に加え、WSAVAガイドラインに沿った適切な時期/回数のワクチン接種*であることに変わりはない。(*2年に1回の接種間隔でも腎臓病罹患リスクが5.68倍上昇 [ブリストル大学調べ DOI:10.1111/jvim.13917])腎臓への負担で一度損壊したネフロンは再生することはないため、慢性腎臓病のような完治しない原発性の病気の予防には、やはり幼少期からのケアが必要である。本品のようなサプリメントにこだわる余裕があるならば、餌場/トイレ/水場は各2m以上離す、水場はしっかり猫の導線を意識した上で頭数+1以上設置し、自動給水器(流れる水)も使用して飲水を促す、くらいのことは愛猫のためにするべきである。現在うちで使用しているデンタルバイオ(口腔内ケア)とフレキサディン(関節ケア)に、本品シルキャット(腎臓ケア)が加わることで、"サプリメント三種の神器"として活躍することを期待する。